2009年11月29日

朗読劇

東区、文化のみちにある「橦木館」で、朗読劇が公演されたので観に出かけた。

このあたりは昔の武家文化と町人文化が融合していた地域でなので、コンクリートマンションの周囲を黒板塀やレンガ塀で囲み、その面影を残すようにしている。




橦木館は、陶器商で財を成した井元為三郎の屋敷だったところで、和館、洋館、茶室、蔵などがあり、市の有形文化財になっている。

     
           庭の中にある茶室
                       
                            今夜の舞台になる和室

案内された座敷で30人ほどが座って静かに待つ。

庭に面した障子は取り払われていて、紗の幕が張り巡らされ幻想的な雰囲気だ。
紗を通して見える庭には、赤い糸を巻き付けたオブジェが灯りに照らされている。

今日の朗読劇は「袈裟と盛遠」なので、このオブジェは男女の運命の絆を表わす赤い糸か、それとも盛遠が手にかけるはずの袈裟の夫、渡辺渡の赤い血をイメージしているのか・・・。

芥川龍之介の原作なので、平家物語などで私がよく知っている「袈裟と盛遠」とは違っていた。
袈裟を演じる藤沢理子さんは、低い押し殺すような声での朗読。
盛遠の榊原忠美さんも鬼気迫る演技。(私は榊原さんのファンである。)

しかし、私のような単純人間には、芥川のこういう愛憎からむ複雑な心理劇はちょっと疲れた。  

Posted by はづき at 21:42Comments(2)